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コンクリートが中性化する原因と対策方法

建機レンタル | 2018年2月27日

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コンクリートを使った施工で気になることの一つに、完成後の劣化をどう防ぐかという問題があります。

劣化の原因の一つに中性化があげられるのですが、これはどのような原因でなるのでしょうか。

原因と対策を知っておけば、コンクリートの劣化の進行をストップさせ、ひび割れなども防止することができます。

 

 

■空気によって引き起こされるコンクリートの中性化とは

 

コンクリートは、セメントや細骨材、粗骨材、水を使って練り混ぜ固めたものです。

そして、セメントの成分が水和によって水酸化カルシウムを多く生成し、pH12~13の強アルカリ性 となっているのが通常の状態です。

 

しかし、空気中の二酸化炭素がコンクリートの表面に接触すると、水酸化カルシウムと化学反応を起こして、水酸化カルシウムは中性の炭酸カルシウムと水へと変化し、コンクリートがアルカリ性を失う「中性化」が起こります。

 

つまり、原因が空気中の二酸化炭素である限り、コンクリートを空気から遮断するような措置をとらないと、空気がある場所では中性化は必ず進行してしまうのです。

 

 

■中性化によって起こるひび割れなどの諸問題

 

コンクリートがpHを失うとどのような問題が発生するのでしょうか。

最も大きな問題は、コンクリート内の鉄筋に対する問題です。

 

アルカリ性の状態では、鉄筋に対して薄い酸化皮膜である不動態被膜が形成され、防錆の役割を果たしてくれます。

 

これが、中性化が進行し、アルカリ性が失われたコンクリートが鉄筋部分まで侵食すると、鉄筋には「錆」が発生し、錆からくる膨張、そして膨張によるコンクリートのひび割れにつながります。

さらに、ひび割れから水が浸入し、錆の速度を加速させたり、鉄筋を「腐食」させたりもします。

 

ひび割れが進行すると、建物内に「水漏れ」を起こしたり、コンクリート自体が「表面剥離」や「崩落」する危険性もあります。また、鉄筋の腐食はコンクリートの「耐荷力も低下」させます。

 

 

■コンクリートを中性化させないための対策、中性化後の対策

 

中性化は二酸化炭素によってもたらされるので、二酸化炭素の接触を防ぐことが重要です。

コンクリートの表面を塗膜防水材などで被覆することは大きな効果があります。

 

また、水セメント比を低下させて内部の空隙を減らしたり、鉄筋までのコンクリートの厚さを厚めにして、中性化しても鉄筋まで届きにくくする方法もあります。

 

実際に中性化が疑われる状態になったらテストをする必要があります。

コンクリートの劣化は中性化だけが原因ではありませんが、コア法やドリル法で中性化試験ができます。

テストの結果、中性化していることがわかったら対策が必要です。

 

ひび割れ注入工法で二酸化炭素を遮断して中性化をストップしたり、断面修復工法やアルカリ性を回復させる再アルカリ化工法で中性化の除去をしたり、電気防食法や鉄筋防錆材の活用で鉄筋腐食の抑制が行えます。

 

これら対策法は、中性化の進行度合いで選ぶ対策方法が変わってきます。

 

以上が、コンクリートが中性化する原因と対策方法についてです。

中性化で最悪コンクリートが崩落する可能性までお分かりいただけたと思います。

施工の際や、施工後もコンクリートの中性化には注意してください。


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