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アドブルー(AdBlue)を薄めると効果はどうなる?

建機レンタル | 2018年1月31日

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「尿素SCRシステム」は、排出ガスを浄化する際にアドブルー(AdBlue)を使います。

主にディーゼル車に使われるため、業務用として用いられることが多く、経費節減のために「薄めて使う」という発想があるかもしれません。

 

アドブルーにかかるお金が少なくなるなら儲けものですが、そんなことをしても大丈夫なのでしょうか?

 

ここでは、その疑問を解決するアドブルーの基本的な情報から、「薄めて使う」と実際にどうなるのか、解説します。

 

 

■アドブルー(AdBlue)とは純水に尿素を溶かした水溶液

 

ディーゼルエンジンを搭載するトラックやバスなどの排気中には、窒素酸化物が含まれますが、触媒内部で排出ガスに対して噴霧されるのがアドブルーです。

 

アドブルーは純水に高純度の工業用尿素を溶かしたもので、尿素32.5%:純水67.5%という割合の水溶液です。

 

正式な表記は「AdBlue®」となり、ドイツ自動車工業会(VDA)の登録商標です。

 

なお、アドブルー自体は無色、無害の液体なので危険物や毒劇物ではありません。

そのため、取り扱いに危険物取扱者などの資格を必要としません。

 

 

■アドブルーの排出ガスに対する働き

 

アドブルーを排出ガスに噴霧するとどのような効果があるのでしょうか。

 

ディーゼルエンジンから排出されるガスには、大気汚染の原因とされている窒素酸化物(NOx)が含まれていますが、マフラーの中でアドブルーを噴霧することで、含まれるアンモニア(NH3)が窒素酸化物と化学反応を起こし、窒素酸化物を窒素(N2)と水(H2O)に分解するのです。

 

これにより、有害な物質を低減するクリーン性能と燃焼効率向上の両方を実現しています。

 

この、アンモニアを使って窒素酸化物を減少させるシステムのことを尿素SCRシステムと呼びます。

 

 

■薄めて使う場合の効果、問題について

 

アドブルーの価格は高価なものではありませんが、業務で使うなら少しでも経費削減という考えがつきまといます。

 

薄めても効果が落ちないなら、薄めることにより、少ない経費でたくさん使うという考えが浮かぶのは否定できません。

 

しかし、純水と尿素からなるアドブルーに水道水を足した場合、尿素の割合が下がると同時に不純物が混ざります。

 

尿素の割合が低いと、十分に窒素酸化物と化学反応せず、窒素酸化物が大気中に放出される量が増えてしまいます。

それでは、排出ガスの規制を守ることができません。

 

また、水の割合が高いことで硝酸が生成され、マフラーの中で酸性雨が発生するような状態になり、強酸である硝酸は尿素SCRシステム内のSCR触媒や後段酸化触媒を腐食させてしまいます。

 

ほかにも、不純物が尿素SCRシステムに対してポンプの詰まりなどの悪影響を及ぼします。また、水で薄めることによって凝固点の上昇が起こり、アドブルーが凍り、低温下でエンジンが始動しない恐れがあります。

 

 

「水で薄めて使用しても警告ランプが点灯することはなかった」というような話もありますが、車は普通に動くけれども、実は薄めることによって機械にはダメージを与え続けているのです。

少しの経費を減らすために、大気にとって悪影響を及ぼすガスを排出し、尿素SCRシステムが故障して高額な修理費用がかかることはマイナスでしかありません。

機械ごとにメーカー指定されているアドブルーを薄めること無く、純正のまま使うことを使用することを推奨します。


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