建機レンタル | 2017年12月27日
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建設現場の測量は、これまでは、光波測距儀や電波測距儀、ティルティングレベル(気泡水準式・オートレベル)などを使った測量が主でした。
しかし、近年では、3D測量(3次元測量)で測量データを取得し施工に役立てる、3D測量が導入され始めました。
ここでは、高精細な測量や高速測量など、建設における3D測量のメリットの大きさについて説明します。
3D測量とは、地形や構造物などといった計測対象物の寸法情報を、専用器械によって3次元的に計測する測量方法です。
これまでの測量では、2次元としての単点測量でしたが、面的な3次元としての点群座標が取得できる計測技術です。
その原理・仕組みは主に3つあります。
一つ目は、測定対象物にレーザーを照射する際に、ラインレーザー(ストライプレーザ光)を交差させ、その反射光をセンサーで取得し、三角法を使用して対象物からスキャナーまでの距離を計測する「三角法方式」です。
二つ目は、レーザー光線を測定対象物に対して照射し、レーザーが返ってくるまでの時間を測って距離に換算する「タイム・オブ・フライト(Time Of Flight=TOF)方式」です。
三つ目は、レーザー光を照射する際に複数に変調させ、対象物から反射して返ってきた拡散反射成分の位相差により、対象物との距離を測る「フェイズシフト方式」です。
3D測量に使われる最新機器は主に3つあります。
まず、対象物にレーザー光を投射して三次元データを取得できるのが「3Dレーザースキャナー」です。
また、車に3DレーザースキャナーやGNSS、全方向カメラ、光センサーなどを搭載し、走りながら測量できる「MMS(Mobile Mapping System=モービルマッピングシステム)」もあります。
搭載するのは車だけではなく、ブルドーザーに装着して荒れ地や農地を計測したり、船舶に搭載して護岸や堤防の計測もできます。
さらに、新しく空からの測量を可能にした「ドローン空撮測量」があります。
これは、ドローンにカメラを搭載し、空中で計測地の写真を大量に撮影し、画像を解析して地形の3Dモデル化を行う測量です。
3D測量は、各ツールそれぞれに異なるメリットがあります。
「3Dレーザースキャナー」を用いた場合は、従来の方式と比べ複雑な地形でも測量でき、短時間で数万点もの点データを計測できるので測量時間が短縮できます。
また、対象物に接触することもないので作業の危険度が下がり、安全な作業が実現します。
機器によって異なりますが、誤差数ミリで計測でき、精度の高い測量が可能です。
「MMS」は機器を動作させて車で走れば測量可能なので、3Dレーザースキャナーよりも測量時間が短縮可能です。
車道やトンネル、地下なども計測でき、安全管理のための道路規制やガードマンも必要ないので、人員のコストダウンも実現できます。
「ドローン空撮測量」では、人が立ち入れない場所の測量が可能な点が大きなメリットです。
特に災害発生現場などでは、上空から撮影することで人員の安全を確保しながら迅速に被害の状況などを確認できます。
また、これまでの空からの測量である航空レーザー測量や航空写真測量などと比べて安価で実施できます。
さらに、3つのツールに共通するのが、測量のデータをデジタルデータとして取得できることにあります。
それぞれのデジタルデータに対応するソフトを使えば、座標データを点群データとして扱い、カメラの画像データと合わせて色を付け、パソコンの画面上で実写のようなビジュアルで再現することなどが可能です。
また、データをCADソフトや3Dアプリにインポートして、データを表示したり、解析したりもできます。
3D測量はこれまでの測量を進化させて便利にするだけでなく、これまで難しかった地形や建物の測量も実現して、建築時だけではなく、歴史的建築物・重要文化財の補修や図面のない設備、建物のメンテナンス・リニューアルも可能にする画期的な測量技術なのです。
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