建機レンタル | 2017年11月29日
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山を貫き、都市の下をくぐり抜け、時には海峡の下を掘り進み、交通や輸送にとってなくてはならないのがトンネルです。
山岳トンネルや地中のトンネル、海底トンネルなど、そこにある土砂などを取り除きつつ、自動車道路や鉄道用のトンネルを掘り進めるのは、非常に高度な技術や建機が必要となります。
トンネルの施工方法は場所や用途によって違いがあるので、ここでその種類や特徴、使われる建機についてご紹介します。
トンネル工事のことにはうとい一般の方でも、その名前や大きな建機を見たことはあるかもしれません。
シールド工法では、主に円筒状の掘削機であるシールド機(シールドマシン)を使って地中を掘り進みます。
シールド機は先端にカッターヘッド(カッターフェイス)が取り付けられ、ヘッドには岩盤や玉石を砕く複数のカッタービットが付いている機械です。
掘削する時は、カッターヘッドが回転しながらゆっくりと進みます。
砕いた土砂はシールド機の中に送られ、スクリューコンベアとベルトコンベアでトンネル内に排出され、さらに機関車や積込機、ダンプトラックなどで運搬されてトンネル外に運ばれます。
シールド機で掘り進めながら、トンネルの崩落を防ぐためのセグメントという枠組みをシールド機の中でエレクターを使って組み立てます。
セグメントを組み立てたらジャッキで押し出して前へ進みます。シールド工法ではこの作業の繰り返しとなります。
TBM工法はシールド工法と同じように、使用する建機「トンネル・ボーリング・マシン」(TBM)から名付けられた工法です。
TBMはシールドマシンと同じように先端のカッターヘッドとカッタービットで岩盤を削り、掘り進めます。
異なる部分はマシンの内部で、TBMは人が作業するスペースがなく、削った岩盤をマシン内の機構で直接トンネル内に運ぶシステムです。
これは、掘る対象が岩盤なので、ある程度の坑道の耐久性が確保されているため、シールド工法のように掘りながら枠組みを作る必要がないからです。
掘った後のトンネルでは別途施工を行ったり、地山の緩みにはルーフサポートで対応したりします。
また、もう一つのシールド工法の違いとして、進み方の違いがあります。
TBMでは、シールド工法と同様に、セグメントにジャッキを押しつけて前進する方法ができますが、ほかにも、メイングリッパを岩盤に押しつけて固定し、ジャッキが伸びることで反力を得て前進することができます。
山岳部で固い岩盤を掘り進める時に使われるのが山岳工法です。
山岳工法では、建機や人力などを使いながら、岩盤に小さな穴を開けてダイナマイトを差し込み、爆破(発破)させて破砕しながら掘り進めます。
掘った後の処理の仕方ではNATM工法(ナトム工法)がメジャーで、山岳工法=NATM工法として扱う場合もあります。
NATM工法は、オーストリアで生まれた工法なので「New Austrian Tunneling Method」の略でNATMと呼ばれています。
その作業内容は、掘削後に地山が崩れないようにコンクリート吹付機や吹付ロボットでコンクリートを表面に吹付け、油圧ジャンボなどを使ってロックボルト(鉄筋棒)を地山に放射状に挿し込んで強度を補強します。
さらなる強度が求められる場合はH形鋼を使用する場合もあります。
地山(坑道)の支持にNATM工法を使わず、丸太や鋼材を使った支保工で支え、さらに木板や鉄板で安定させる方法は矢板工法(在来工法)と呼ばれ、昔から使われていましたが、現在はNATMが主流になっています。
トンネルの施工方法では、ほかにも、地表から浅い場所にトンネルを作る場合、地表から掘り下げてトンネルを構築する「開削工法」や、海底にトンネルを作る場合にケーソン(沈埋函)を沈めて作る「沈埋工法」などがあります。
私達の目に見えないところで作業が進むトンネルの施工方法ですが、種類がわかるとトンネルを見る目が少し変わって面白いかもしれません。
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