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林業について

林業の歴史を振り返ろう、日本の森林整備を巡る歴史紹介

林業 | 2018年8月6日

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日本の歴史と「林業」とのかかわりは切っても切れないほど深いものです。

古来より日本人は木で家を作り、木で道具を作り、木を植えて森にし、そして木を信仰して歴史を紡いで来たと言っても過言ではありません。

現代まで日本の重要な産業として継続している林業には、どのような歴史的背景があるのでしょうか?日本の森林整備の歴史と共にご紹介します。

 

 

■日本の森林整備の歴史

 

豊かな国土をもたらす健全な山づくりの為には「森林整備」が必要です。

日本における森林整備は、江戸時代頃から本格的に推進されてきました。江戸や大阪などの大都市では人口の増加に伴い、木材の需要が増大しますが、その需要に応えるために森林伐採が行われるようになりました。同時に、そのような森林伐採による森林資源の枯渇や災害の問題も深刻化します。そこで、森林を保全するための「留山制度」や「諸国山川掟」が制定され、さらに渋江正光や熊沢藩山のような論者が森林整備・保全の必要性を説くようになりました。

 

また、単純に伐採を禁じるだけではなく、森林の回復を考慮して区画ごとに順々に伐採を行う「輪伐」や、成熟していない樹木は伐採せずに残す「択伐」などの制度も後々に制定されることになります。これらは持続的な森林整備・保全のための考えであり、現代の林業の源泉にもなっているものなのです。

 

 

■江戸時代までの林業

 

飛鳥時代や奈良時代の古代より、日本人は宮殿や寺院を建築する為に木材を利用し、薪材を燃料として火を起こし、山に生える芝草をたい肥として農業を営むという、山と共にある暮らしを当たり前としてきました。大きな寺社仏閣や周辺の都市部では、時として大量の木材を要する為、9世紀ぐらいから木材を確保するための植林の記録が残されています。特に何度も遷都を経験している近畿地方では、京都の北山で14世紀から、奈良の吉野で16世紀ぐらいからそれぞれ植林をして大量消費に備えてきました。

 

江戸時代になると森林はそれぞれの藩の所有となり、むやみやたらと大量伐採しないよう「留山」と呼ばれる保全対策で大量伐採を禁じ、公益的機能を回復させるための造林対策も併せて行われてきました。

幕府は寛文6年(1666年)に「諸国山川掟(しょこくさんせんおきて)」を発令しました。

これは「川の左右の山で木立のないところには苗木を植えて土砂の流出がおきないようにすること」という河川流域の造林を推奨するものでした。

また、林業を治山治水の観点でとらえ、土砂流出防止林や水源涵養林、防風林など作り、専門家を置いて意見を聞くなど国を挙げての森林整備が始まったことになります。

 

 

■明治維新から戦前までの林業

 

明治維新になった途端に西洋の文化が流れ込み、高層建築物の足場や杭、電柱、鉄道の枕木、貨物の梱包などで木材の需要は急増し、幕府の締め付けもなくなった全国の森林で大量伐採が横行し、日本の森林は再び荒廃の危機にさらされました。

 

明治政府は明治30年(1897年)に「森林法」を制定して森林の伐採を規制しました。さらに、無立木状態の荒廃地に関しては、明治32年(1899年)から大正10年(1921年)までの「国有林野特別経営事業」にて国有林野を払い下げた費用で、植栽を積極的に行って森林整備に努めました。また公有林においては、大正9年(1920年)年からの「公有林野官行造林事業」において、政府が市町村と分収林契約を結ぶ事によって森林整備を実施しました。

 

ちなみに森林法はドイツの森林整備を参考にしており、日本の文化が近代化するとともに「持続的な森林経営」も視野にいれて法整備しようとしていた事がうかがえます。その後、第一次世界大戦、日清戦争、日露戦争などの戦争などで木材の需要がさらに拡大しましたが、森林を整えていた事により需要に十分こたえられるべく林業は盛んだったと言われています。

 

 

■現代の林業の森林整備とは

 

日本の重要な一次産業として盛況だった林業も、第二次世界大戦後に激変してしまいます。

第二次世界大戦の戦後復興、その後の高度成長期の住宅ブームにおいて木材の需要は最盛期を迎えます。国内の人工林ではまかなえず、安い外国資材の輸入が始まると、国産材の価値は一気に下落し1970年代から木材の需要は落ち込んでしまいます。それと同時に、林業従事者の高齢化、若年層の林業離れが加速し90年代の木材価値は目も当てられない状態でした。

 

林業従事者の減少を食い止めるために国は2001年に「森林林業基本法」を制定し林業を産業としてとらえて森林を管理経営する目線で森林整備と維持を進めていく政策に舵を取りました。

また「緑の雇用」制度を採用してこれから林業に従事したい人を取り込み、即戦力をはぐくむためのカリキュラムで働き手を確保しています。

さらにドローンなどで撮影した山の地図をデータベース化して共有するIT林業で全国の森林組合が一つになれるようネットワークを強化して森林と林業を未来に残すための森林整備に取り組んでいます。


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