林業 | 2018年8月6日
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大型の重機やチェーンソー、オノ、ナタを使い、自然を相手にする林業では少しの気の緩みが大事故につながります。
あらゆる業界でのリスクアセスメントが問われる時代となっている今、林業においてのリスクアセスメントはどのような考え方になっているのでしょうか?
林業におけるリスクの実態や現場の連絡体制、安全対策などを含めてご紹介します。
「リスクアセスメント」とは危険な箇所を事前に見つけ出し、実際にどのくらい危ないものかを評価し、評価によって対処法を講じておくものです。
昔から林業における労働災害は、事故や災害の発生率の高さや、死亡率の高さなどの重篤度が他の産業と比べて非常に高い事が特徴です。
そのため、まず従来からあるKY活動(危険予知活動)や指差し確認などを定着させて「災害ゼロ」「危険ゼロ」の取り組みを徹底させる事が重要ですが、それに加え、リスクそのものを低減させるために全国の森林組合が「林業リスクアセスメント」の導入を進めています。
まず平成21年度には振動障害予防策が改正され、チェーンソーの取り扱い指針に関する予防策が強化されました。
そして平成25年度には「木材搬出機械等に係る改正労働安全衛生規則等」が改正され、新たに車両系木材伐出機械(伐木機械、走行集材機械、架線集材機械)などでの作業による安全対策が強化されています。
これらのリスクアセスメントは森林総合監理士(フォレスター)と呼ばれる有資格者が各森林組合において指導や助言をし、全国での共通意識を測って更なる安全対策につなげるようになっています。
林業ではどのような労働災害が想定されるのでしょうか?
林業の作業を「伐木作業」「造材作業」「集材作業」などに分類すると、一番死亡者の多い作業が「伐木作業」です。
伐木時の事故は伐り倒した木の下敷きになったり、伐った木が跳ねてあたったりなどの倒木によるケースも多いのですが、チェーンソーを取り扱っている際の事故も目立ちます。これらは事前に指差し確認や危険予知、防護服なの着用などによって未然に防げる事が多く、業界全体でのリスクアセスメントへの意識を高める必要がありました。
林業での労働災害の発生率を低くするためには全体的な意識の向上が必要とされるため、林業従事者を対象とした安全講習の受講を必須にするなどの取り組みが実施されています。例えばチェーンソーの取扱い作業に関する安全講習や、木材搬出機械、木材加工作業、フォークリフト作業など、特殊な機械や高機能林業機械などを取り扱う場合でも一定の講習を受けないと更新できないシステムとなっています。
それに加えて、近年多い熱中症対策や、チェーンソー使用時の防護服の義務化、蜂に刺された際のアドレナリン自己注射器の携帯義務化など、「事故を未然に防ぐための対策」を義務化することにより、林業作業でのリスク低下を図っています。
また、万が一事故が発生した場合、現場で速やかな対応ができるように作業現場ごとに連絡責任者を選任して、責任者が緊急連絡の窓口となったり、作業現場への指示出しをするなどスムーズな連絡体制が取れる仕組みが一般的となっています。
そのために、通常の安全講習に加え責任者講習や責任者を養成するための講習などにも、リスクアセスメントが生かされています。
林業・木材製造業労働災害防止協会
林材業におけるリスクアセスメント
www.rinsaibou.or.jp/cont02/02_frm_risk.html
林業・木材製造業労働災害防止協会宮崎県支部
https://rinsaibomiyazaki.sakura.ne.jp/guide/index.html
森林総合監理士PRサイト
http://foresterjp.net/pr/index.html
林業における労働安全とフォレスターの役割
http://www.rinya.maff.go.jp/kinki/sidou/pdf/anzen.pdf
林業現場の緊急連絡体制
~被災者の早期救助のために~
www.rinsaibou.or.jp/cont02/02_frm_c.html?items04/0204_idx.html
林業の労働災害の現況
www.rinya.maff.go.jp/j/routai/anzen/iti.html
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