林業 | 2018年6月28日
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世界の森から生産される木材のうちの約53%に相当するといわれる薪炭材(しんたんざい)。
日本では薪炭材よりも用材の生産が上回りますが、世界ではまだまだ薪炭材の生産に頼っている地域もあります。
薪炭材とはどのような樹種から採れるのでしょうか?用材と薪炭材の違いなどについてもご説明します。
薪炭材とは薪(まき)や炭など「燃料用」として使用する木材の事です。
伐採した木材を手ごろな大きさに加工し、小さくまとめたものです。伐採直後のまま使用すると水分を多く含むため伐採後に割って木材を乾燥させてから使用します。
世界で生産させる木材の約53%が薪炭材として利用され、残り約47%が産業用の用材として利用されているというデータがあります。
主にアフリカ、中南米などで需要が高く、世界で生産される薪炭材用木材の約6割が発展途上国で生産されています。
日本の場合は主に産業用の用材が主流ですが、薪炭材も生産されています。
薪炭材に向いている樹種はコナラ、クヌギ、カシ、サクラ、エノキなどの広葉樹になります。
これらの木が生えている林は薪炭林、低林と呼ばれていますが、一般的には「里山」という名で広く知られています。
日本で薪炭材生産が盛んだったのは戦前の頃でしたが、第二次世界大戦後に石油燃料が台頭してくると薪炭林だった林は広葉樹から針葉樹へと移り変わり用材林として立て直しする傾向にありました。
関東平野に残されている広葉樹林はかつての薪炭林の名残ともいわれています。
「用材」とは家の建築や家具、工事などで使われる木材などを指します。
用材で使用する木は「柔らかくて加工しやすい木」であることが望まれているため、スギ、ヒノキ、マツなどの針葉樹林が使用されます。
日本で生産される材木の8割は薪炭材ではなく用材ですので、日本の人工林の大半にスギ、ヒノキ、マツが植樹されているのも納得です。
対して薪炭材は硬い木が向いています。特に炭などにするにはその硬さが重要となります。薪炭材と用材は樹種に大きな違いがあるのが特徴です。
日本では用材の需要が高いのも事実ですが、山を健全に保つための林業対策として針広混合林化も奨励されていますので、薪炭材をバイオマス燃料に使用するなど
、新たな使い道も研究されています。
森林・林業学習館/世界の木材生産量
https://www.shinrin-ringyou.com/forest_world/seisan.php
多摩産材情報センター
http://tamasanzai.tokyo/about/
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