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林業について

自伐型林業と現行林業の違いとは?

林業 | 2018年5月30日

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就業人口の低迷や国産材の需要低下などの影響で「衰退産業」とまで呼ばれる林業でしたが、中山間地域を中心に「自伐型林業」という新しい林業の仕組みが注目されてきています。

林業のこれからに可能性を見出す「自伐型林業」とはどのようなものなのでしょうか?現行林業との違いとは?

 

 

■自伐型林業とは何か?

 

「自伐型林業」とは現行林業の課題となっている「採算性」と「環境保持」を両立する持続的森林経営ができると言われている新しい林業のスタイルです。

従来の林業は所有者と施行を分離し、森林組合や伐採業者などに施行を委託する「施行委託型林業」が主流でした。

 

自伐型林業は「林業」という業種だけにこだわるのではなく、中山間地域という特性を生かした農業との兼業、地域の異業種と組み合わせた六次産業化など森林の多目的活用化が期待できるほか、それに合わせて若年層からリタイア層、障がい者就労など幅広い層の人が林業に就業できるチャンスが発生するため、自伐型林業の動きは全国に広がっています。

 

自伐型林業は「長伐期択伐施業」といい、全体の2割以下の間伐を繰り返す事により、残った木を成長させて約10年後に訪れる次の間伐時に面積当たりの材積や材質をアップさせるという展開方法を手法としています。

 

一気に伐採してしまう皆伐とは違い、長期的な択伐施業をすることにより再造林回数が減るため、残存する森林の価値を高める事が可能です。

森林の環境保全の面からみてもメリットある林業のスタイルと注目が集まっています。

 

 

■自伐型林業と現行林業の違い

 

現行林業は、山の所有者が地元の森林組合や伐採業者に林業の施行と経営を依頼する「施行委託型林業」です。

 

しかし時代をさかのぼると、日本はもともと自伐型林業が主流でした。戦後復興で全国の山林がフル回転して市場に木材を提供してきましたが、木材不足を補うため1964年に政府が木材輸入全面自由化を始めた事により、国内の森林組合はそれに反発し林業の大規模化に踏み切った、という歴史的背景がありました。

 

山林にたくさんの人員と大型機械を導入し、たくさん植えて大量伐採するスタイルを確立してきましたが、国内全体での木材の需要が落ち込み、林業就業者も減ってしまうと全国の山林で赤字が発生し、高額な補助金を出しても継続して続かない、収益につながらないという高投資高コストの産業として敬遠されがちな「衰退産業」とした目でみられるようになってきました。

 

しかも少ない人員で山を管理しなければならなくなり、全伐や切り捨て間伐、山林放棄など山の環境保全とは程遠い林業施業が頻発し、持続的森林経営ができない山林が増えてきたのが現行林業の現状です。

 

自伐型林業はカバーする山林が固定されており、チェーンソーと小型重機、運搬用のトラックがあれば始められる低コスト林業としても注目されています。何よりも森林組合への委託費用や大型機材の維持費用などが掛からないので収益を出しやすいという特徴もあります。

 

そのため地域住人が農閑期の間に参加できたり、リタイア世代がバイト代わりに参加したり、お手伝い感覚で若年層も参加しやすいという就業のハードルの低さにもメリットがあり、全国で自伐型林業の就業セミナーが展開されるなど期待の高さがうかがえます。

 

 

■自伐型林業の問題点と課題

 

現行林業のデメリットをメリットに変える効果をもたらす自伐型林業ですが、新規参入ゆえの問題点と課題もあります。

 

まずは山の所有者、森林組合などとうまくコミュニケーションがとれず、自伐型で参入しようとしても森林組合の方で森林経営計画を立ててしまい行政からストップがかかってしまうケースや等があります。

 

また自伐型林業への理解に乏しく、山の所有者の許可がおりない、山の所有者と連絡がとれない、そもそも山の売買に関する情報が出回らないなど自伐型林業を始めるための森林の確保ができないという事例もあります。

 

自伐型林業の裾野を広げるためには、まずは同業者と行政へ理解を求める必要があります。

 

 

日本の山の形状は複雑で、システムを統一化するのは一筋縄ではありませんが、その山にあった林業のスタイルをとりやすい自伐型林業が普及すれば未来の林業に明るい可能性が示されると期待できます。

 

 

自伐型林業とは?

http://jibatsukyo.com/about/

 

自伐型林業は、現行林業と中山間地域が抱える問題点を根本的に解決し、どの地域でも展開できる林業の王道、中山間地域の主産業

http://www.nhk.or.jp/chiiki-blog/700/257480.html

 

林業を「儲かる仕事」に 「小さな林業」で地方の働き方を変える

https://www.projectdesign.jp/201612/natural-treasure/003277.php

 

木材輸入自由化について

http://ubusuna-project.com/glossary/mokuzaiyunyujiyuu

 


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