林業 | 2018年4月24日
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林業で各種林業建機を効率よく作業させるため、また、森林を適正に管理するためには、森林内での移動をスムーズにする路網整備が不可欠です。
路網整備によって森林作業道が整備されれば、生産性や収益の向上が望めます。
林道や林業専用道とは異なり、主として林業機械を使用し、特定の作業者が利用するのが森林作業道です。
ここでは、その重要な森林作業道をいかに低コストで路網整備するのかについて紹介したいと思います。
森林作業道は、伐採や間伐、伐採した木の枝払いや造材、木寄せ集材など、作業内容に適した建機が走行するために整備された施設(道路)のことです。
用途が似た道路に林道と林業専用道がありますが、林道は不特定多数が利用する公共施設、林業専用道は10トントラックや大型ホイルタイプの走行を想定したものとなっています。
森林作業道は、林業経営を支える基盤であり、森林内で適切な路網を構築し、継続的に利用していくものとなっています。
路網とは、森林内の林道、作業道、作業路(集材路)の総称です。
また、それらを適切に組み合わせた交通路という意味でも使われます。
本稿での路網整備は、森林内で作業がしやすいよう、適切な森林作業道を配置することを指します。
森林作業道を敷設するには、低コストでの作設が望まれます。
それは単純に安価でできたほうが良いという点と、低コストかつ短期間で作ったほうが、購入費が高く機械経費のコストが高い高性能林業機械の稼働率を高めることとなり、結果として経費節減になるからです。
では、どうやって低コストの路網整備を行うかというと、まず、機械、路網、作業法を施業地の自然条件に最適化するように組み合わせます。
そして、作業する人や機器が特殊な搬出技術を持たなくても、安全に誰でも木材搬出できる高効率な作業システムを構築するのです。
また、線形については、切土法高が高いと切盛土量の増加や路側構造物の設置による高コスト化、そして、降雨等による法面崩壊の危険性、間伐等の森林施業の実施に支障をきたすなど、デメリットが多くなります。
コストを下げるためには、切土高を抑えた作業路が望ましくなります。
機械、路網、作業法に合った森林作業道を構築するためには、事前調査・現地調査・計画の全体スケジュールが重要になります。
事前調査では、航空写真や地質図などを参考に、地形と森林の境界(林班界)を示す森林基本図・計画図「5千分の1」の図上で、大まかな路網計画と作業路路線計画を検討します。
現地調査では、森林計画図に記載した作業路路線計画について、線形が効率的であるかどうか、下りや曲線部で林業建機が適切に通行できるか、災害の発生のおそれはないか、などをチェックします。
そして、実際に施工するスケジュールを作成するのです。
以上が、森林作業道を低コストで路網整備するための作り方や手順になります。
新しい道を開設する際は、土質の変化や転石などで想定や希望通りに作業が進まないこともありますが、できるだけ現場条件に合った、柔軟な対応で施工を進めたいものです。
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