森林経営計画とは？メリットはあるのか？

林業 | 2018年4月24日

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日本中に広がるあらゆる持ち主が、存在する森林をある程度集約しつつ管理する「森林経営計画」は、森林を守り保全するために必要な事業計画です。

具体的に森林経営計画とはどのようなものなのでしょうか？またそのメリットとは？

■森林経営計画とはどのようなものか？

森林経営計画とは、自分で山を持っている「森林所有者」または「森林の経営の委託を受けた者」が、「自らが森林の経営を行う一体的なまとまりのある森林」を対象として、林業工程を含めた森林の施業及び森林の保護について作成する計画で「5年を1期」としてまとめられます。

適切な森林経営計画を立てる事により、「一体的なまとまりを持った森林」が計画に基づき、適切な林業の施業と適切な森林の保護を受ける事により、従来の森林が持つ多様な機能を十分に発揮させることを目的としています。

森林の区画の単位を「林班」と呼び区画分けの際に使用します。

森林経営計画の対象森林は、森林経営計画で定める林班又は隣接する複数林班の面積の1/2以上を占める森林に対して実施する計画を「属地計画」と言い、林班で分けるのではなく自分の所有している100ha以上の森林を「属人計画」と称しています。

森林経営計画では森林の経営に関する長期方針や、計画対象森林の現況や間伐、主伐の履歴、伐採や造林に関係する項目、森林の保護に関する事項などが記載されています。

■森林経営計画を立てるメリットとは？

森林経営計画を立てる事によるメリットは以下の通りです。

・税制上の特例措置

まずは所得税の面で、「山林所得に係る森林計画特別控除」と「林地の譲渡にかかる特例」の特例沿いがあります。

また相続税の面で、「立木及び林地に係る課税価格の計算特例」や「計画伐採に係る相続税の延納などの特例」「山林についての相続税の納税猶予制度」などが特例措置として認められます。

相続税関係については都道府県によって計画書の記載事項や、必要な書類が異なるため注意が必要となります。

・日本政策金融公庫資金の低利融資等

貸付利率の特例等により、林業基盤整備資金（造林資金）について融資を受ける事が可能です。

森林整備活性化資金の一部については、一定の要件を満たす場合に関して無利子融資を受ける事ができます。

さらに林業経営育成資金（森林取得資金）の貸付利率が優遇されるなど、日本政策金融公庫の各種低金利融資を利用できるメリットがあります。

・森林整備地域活動支援交付金

森林整備を集約化するために、森林の持ち主を探すなど森林簿を調査したり、森林の情報収集の為に必要な「森林経営計画作成の促進費用」や、森林を集約化し間伐など実施するための各種調査、境界の確認など「施業集約化の促進の為の費用」、森林経営計画の作成や集約化に必要となる既存路網の改良を行う「森林経営計画作成、施業集約化に向けた条件整備の為の費用」などに森林整備地域活動支援交付金が使用できます。

・再生可能エネルギーの工程価格買取り制度

森林経営改革の対象森林から伐採されて作られた木材は、通常の「一般木質バイオマス」及び「建設資材廃棄物」などと比べ、税抜きで32円/kwhという比較的高い調達価格が適用されます。