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人工林の放置にはどのような問題があるのか

林業 | 2018年2月27日

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日本全国の森林で人工林はその中の約4割と言われていますが、長い林業の歴史の中で「放置状態になっている人工林」が問題となっています。

人工林の放置は具体的にどのような問題点が挙げられるのでしょうか。

 

■人工林についてどんな問題点が挙げられるのか

 

人工林は人の手で生み出された森林です。木そのものは自然のものと言えますが、天然林と違い「自然の姿」ではありません。

 

人工林の問題点で挙げられる代表例として、現代人を悩ます「花粉症」があります。花粉症はスギ花粉によって誘発されるアレルギー症状ですが、そのスギ花粉は人の手で植えられた人工林のスギから大量に散布されます。戦後の木材不足の際に、早く育つ資材としてコストパフォーマンスのよかったスギの木の植林が奨励された事が原因とされています。

 

もう一つ、スギ花粉よりも深刻な問題が「人工林の放置」です。人の手で管理されるはずの人工林が管理されておらず、収穫期を迎えても伐採されない状態の山が全国各所にあるのです。

この人工林の放置は大きな災害を引き起こす可能性もあり、林業界全体からみても深刻な問題となっています。

 

 

■人工林が放置されるとどのような問題が起こるのか

 

人工林が放置されるとどのような問題が起こるのでしょうか?

人工林は植林を済ませた後、下刈り、枝打ちなどをして木の育成を促します。下刈りも枝打ちも日光を地表に当て、根を丈夫にし、木をまっすぐ育てる事に必要な作業です。そればかりでなく、山にしっかりとした木の根を張りめぐらす事により、雨水を浄化したり大雨や台風が来ても木が倒れることなく土砂災害を防ぐ事ができます。

このようにきちんと人の手入れが入った人工林は、山も人も守る頼もしい存在となるのです。

 

しかし放置された人工林となると話は別です。下刈りも枝打ちもされていない山の地表は全く日光が届かず、根が張らないため土がやせていきます。こんな状況で大雨や台風などの災害が発生した場合、根が水を吸いきれずに土砂災害が発生しやすくなってしまいます。

 

ひどい場所になると、間伐をしてもその後で木を搬出せず放置してしまう「伐り捨て間伐」が行われ、土砂災害と一緒に大きな丸太がそのまま大量に流されてしまうというケースもあります。人工林はきちんと人の手をかけてあげなければ、あっという間に人に牙をむく存在となってしまうのです。

 

 

■なぜ「放置される人工林」があるのか

 

なぜ放置される人工林があるのでしょうか?

戦後の木材不足の際に全国でスギの植林が奨励されたことは前述しましたが、その時代は高度成長期に伴い林業も盛んで、多くの林業従事者がいました。しかし安い外国資材の流入で国産の木材の需要が落ち込むと林業従事者も激減し、結果的に山を管理しきれないという状況に陥ったのです。

そのため山の地主が林業を放棄したり、面倒を見切れない森林はそのまま放置するなど「放置される人工林」が増えてしまいました。

 

放置される人工林をこれ以上増やさないために、林野庁はまず「緑の雇用」など林業従事者を増やす対策をとり、林業用の高性能重機の積極的導入や、ドローンなどを利用した「スマート林業」などに取り組むなど、人手をかけずに済む人工林の管理方法を全国の森林組合に紹介し、放置される人工林の減少に向けて取り組んでいます。

 

 

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