林業 | 2018年2月27日
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人の手によって作られた人工林。何のために作られ、人々の暮らしにどのように活かされているのか。その用途と活用方法をご紹介いたします。
人工林は「木材」を収穫するために人の手で植林され、管理された森林や山を指します。
その歴史は古く、木造建築が始まった頃から「林業」という職業は誕生し、山林資源をしっかり管理していたといわれています。日本国内の人口増加や度重なる戦火で荒廃した村や町を復興するために、江戸時代にはすでにスギの木の人工林が存在したと言われています。
このように、日本に人工林が存在する大きな理由は「木材の収穫」というシンプルな理由からであり、木造建築の時代が続く限り人工林の需要はゆるぎないものでありました。
しかし「木材」を収穫するための人工林は長い年月を経て、その存在の必要性を改めて問われる存在となってきています。
人工林の用途は「木材の収穫」ですが、活用方法はそればかりではありません。健全に育成された人工林は「森林の多面的機能」を発揮することができるため、山そのものを活用することできるのです。
健全な森林とは、まっすぐ大きく育った木がしっかりと根を張り、二酸化炭素の吸収能力のある森林のことです。また、人の手で管理されているので病害虫も抑制できます。
これらの森林の多面的機能の中には、雨水を濾過し、きれいな川の水を生み出す森の涵養機能も含まれるので、日常的な飲料水の品質が維持されることになるのです。
もちろん、一時期消費が落ち込んでいた国産材も住宅メーカーなどが活路を見出し、需要が高まってきているため、本来の木材の収穫の用途も十分期待されています。
人工林を作るメリットは「良質な国産材を生産する」ことと「森林の多面的機能を持った健全な森林で自然環境を守ることができる」ことにあります。
森林は手をかければかけるほど健全な森に育ち、二酸化炭素の吸収や正常な涵養機能などが期待できます。一方で、人工林を作ることにはデメリットも無視できません。
例えば、現代人を悩ます「花粉症」は戦後に大量に植えられた杉の木が起因とされています。また60年前に植林した大量の木が収穫期を迎えていても、林業従業者の激減により山が管理されずに放置状態となっているのも問題視されています。
管理を放棄された山は二酸化炭素への循環もなく、根も弱いために土壌がゆるみ、大雨の際などに土砂災害を引きおこす危険性もあります。
人のために作った人工林が人に牙をむく結果とならないよう、林業従事者を増やし計画的に森林を管理することが必要なのです。
森林・林業学習館
https://www.shinrin-ringyou.com/forest_japan/jinkou_tennen.php
https://www.shinrin-ringyou.com/ringyou/
林業Wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9E%97%E6%A5%AD
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