林業 | 2017年11月29日
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自然の山が相手の林業では事故や災害への遭遇も想定しなければなりません。
その中でも厄介なのは蜂の被害です。
林業における蜂対策方法などをご紹介します。
林業従事者が遭遇する可能性のある災害は以下ケースです。
・伐倒作業中の予定外の方向に倒れた木に激突した
・伐倒作業中、林内作業車で運転中に林内作業者ごと沢に転落した
・森林調査中、熊に襲われた
・枝払い作業中に熊に襲われた
・造林作業中、蜂に刺されて死亡した
・伐倒作業中、蜂に刺されて死亡した
大きな事故だと伐倒作業中の木の下敷きになったり重機に巻き込まれたりなどが多いですが、熊や蜂など自然の生き物による災害が多いのも特徴です。
熊は生息地域にもよりますが、全国レベルで厄介なのは「蜂」の被害になります。
蜂のいない場所で林業を営むことは難しいですが、知識と予防があれば刺されずに回避することは可能です。
蜂の種類やその特徴、蜂に刺された時の対処法、予防方法などを見てみましょう。
・蜂の種類とその特徴
全国的に日本の山林に生息する蜂は「ミツバチ」「アシナガバチ」「スズメバチ」です。
ミツバチは比較的大人しい蜂として知られており、こちら側からアクションを起こさない限り襲ってくることはありません。しかし見張り役に危害を加えてしまうと仲間を呼んで攻撃を開始します。
命がけで最後の一刺しである毒針を繰り出すので大変危険です。
アシナガバチも巣に近づかなければ襲ってこない蜂ですが、6月~7月は攻撃性が高まる時期なので見かけたら避けるのが基本です。
スズメバチは蜂の中でも最も危険な蜂で、毒性が強くアナフィラキシーショックを起こしやすいのが特徴です。活動期も8月~10月と長く、何もしなくても襲ってくるので予防策を含めての対策が必要となります。
・蜂に刺されたらどうなるか
実際に蜂に刺されるとどんな症状になるのでしょうか。
ミツバチなどの毒性の低い蜂に刺された場合は患部が赤く腫れ、痛みやかゆみを伴いながら1時間~1日ほど腫れが続きます。スズメバチなど毒性の強い蜂に刺された場合、アナフィラキシーショックに注意しなければなりません。
蜂に刺されたあと、動悸や息切れ、口内や両手足の痺れ、悪寒や耳鳴りなどの症状が現れたらアナフィラキシーショックです。肌の腫れやじんましん、意識喪失などに陥り、命の危険もあるので間違いのない対処が必要となります。
・蜂災害の対処法と予防法
蜂に刺されたら以下の方法で対処しましょう。
〇刺された場所から立ち去る
蜂は攻撃する時に毒液をまきます。毒液にはフェロモンが含まれているのですぐに仲間が集まってくるので大変危険です。速やかにその場を立ち去りましょう。
〇蜂の毒針を抜く
スズメバチの針は何度でも刺せる仕様になっているので針が抜けることがありませんが、ミツバチに刺された場合は「毒嚢」呼ばれる毒液が入った部分も針についたまま刺さります。この場合、指で抜かずにピンセットや毛抜きなどで抜いてください。
〇毒を洗い流し、薬を塗る
体内に毒があるといつまでも痛みを伴うので手で傷口の周辺をつまんで絞り出すか、ポイズンリムーバーという道具を使って毒を吸い取り、傷口を洗い流しましょう。
口で吸いだすと、口から毒が入るので危険です。
蜂の毒には抗ヒスタミン系成分が有効です。薬を塗ったら腫れをとるために患部を冷やします。
もしアナフィラキシーショックが出ていたら速やかに病院へ行きましょう。
蜂に刺されないための予防法は巣に近づかないことが大前提です。
獰猛なスズメバチでも襲うまでに段階があります。斥候役の蜂を見かけたら警戒する、巣を見かけたら近づかない、巣を攻撃しないなど蜂に対しての刺激を与えないように注意してください。
蜂が多そうな場所で作業する場合はあらかじめ蜂アレルギー検査を受け、アレルギーの恐れのある人はエピペン(アドレナリン自己注射薬)の携帯を心がけると少しでも蜂害を予防することができます。
林業中の災害
http://www.rinsaibou.or.jp/cont03/03_frm.html
蜂について
http://www.rinsaibou.or.jp/cont02/items10/0210_idx.html
http://www.rinya.maff.go.jp/j/routai/anzen/yonn.html
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