林業 | 2017年11月29日
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木材は国内でどのくらい需要があるのか?
林業の未来を守る上でその指標となる「木材自給率」。
森林大国といわれる日本の木材自給率はなぜ低いのでしょうか?
木材自給率の現状と今後の展望について調べてみました。
木材自給率とは「国内で消費される木材のうち国産材の占める割合を示す指標」のことです。算出方法は国内の木材生産量÷国内総需要量で、毎年林野庁が算出しています。
国土の2/3が森林で覆われている日本ですが、世界有数の森林大国といわれている反面、世界有数の「木材輸入国」という矛盾を抱えています。
日本の森林を守るためにも、毎年正しい木材自給率を算出して国内での需要を把握しておく必要があります。
林野庁が発表した平成28年度の日本の木材自給率は34.8%でした。
国土の2/3を覆っている森林のうち、その4割が林業のための人工林であるならば、34.8%という数値は決して高い数値ではありません。それでも国内の木材自給率が最も下がった平成12年の18.2%に比べるとかなり回復傾向にあることはわかります。
しかし、最もピークだった昭和30年の94.5%に比べるとまだまだ好調とは言えず、林野庁では日本の木材自給率を50%まで引き上げることを目標として「森林・林業再生プラン」を立ち上げて林業界全体で取り組んでいます。
なぜ日本は森林が多いのに日本の木材自給率が低いのでしょうか?
まず日本は長い間、国産材には目を向けず、安い海外産の木材の需要が上回っていました。昭和20年ごろに植林した木材が順調に成長しても在庫を抱えて市場が低迷するという状況に陥っていたのです。間伐材を使用していた建材もアルミ製などに変わったため、間伐材の需要も大幅に減りました。
建材以外での利用方法が見いだせない中、林業従事者も減って高齢化してしまうと、技術を継承する人がいなくなるので業界全体が深刻な人手不足にも陥っています。
国産材の需要がない中での人手不足が慢性化し、林業が危機的状況になっている中、林野庁では2011年7月より「10年後の木材自給率50%以上」という指標を掲げました。国内自給率には製材品だけでなく木製バイオマスエネルギーや、パルプチップなども含まれ、平成29年現在で6年連続上昇傾向にあり、今後の展望に期待が持てます。
*木材自給率の算出方法 参考
https://kotobank.jp/word/%E6%9C%A8%E6%9D%90%E8%87%AA%E7%B5%A6%E7%8E%87-690520
*2017年度の木材自給率の数値
林野庁HP
http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/kikaku/170926.html
*過去の木材自給率
https://www.shinrin-ringyou.com/data/mokuzai_kyoukyu.php
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