林業 | 2017年10月30日
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環境問題の中でも「森林破壊」は一般に広く認識されている問題で、日本の林業にも影響を及ぼしています。「林業は森を破壊している」という極論もありますが、日本の林業は本当に森林破壊を促進しているのでしょうか?
「破壊」ではなく「保全」を優先とする日本の林業の本質についてご説明します。
「森林破壊」は過剰な樹木の伐採により森林面積が著しく減少、もしくは消滅してしまう環境問題の事です。その理由として、木材輸出の伐採や密輸による違法伐採、農地確保のための焼き払い、森林火災などがあげられます。
森林破壊と聞くと世界中の森林が破壊されているというイメージがありますが、世界的に見ると偏りがあり、南米や東南アジア諸国などでの森林破壊が深刻な問題となっています。
しかし逆にヨーロッパ諸国や中国、一時期森林破壊が問題視されたアフリカ諸国の一部などでは緑地が増えてきているという報告もあります。
では日本の林業はどうなのでしょうか?
日本の林業は木を伐ったあとそのままにはしません。
一本の木を伐ったあとその地を丁寧に地拵えし新しい一本の苗木を植えます。
その苗木がまた大きくなるまで何十年も手間暇をかけてゆっくり育んでゆきます。
こうして育ったたくさんの木々は健全な山となり自然の恩恵を生み出すのです。
代々丁寧に育てられてきた山を見れば「森林破壊」という言葉とは無縁という事がご理解いただけるでしょう。
しかし高度成長期の頃に流入した安い外国資材の影響はすっかり定着してしまい「外国の資材に頼る日本が森林破壊を増長させている」という見方をする人も少なくありません。
本来の日本の林業を守りつつ、外国資材に負けないようにするためには国産資材を使用する方法が一番なのです。
「森林破壊」が環境問題の中で語られ始めて以来、「森林破壊につながるから割りばしを使わない」という考えや「木が素材だから紙の無駄遣いをしない」という考えが根強く残っています。
資源の節約はエコロジーの基本なので環境問題や森林保全と向き合う良いきっかけにはなっています。
その上で「日本の森林保全」についてできる事を考えてみると「外国資材に頼らない国産材の消費」が一番なのです。近年では「森づくり」に着目したハウスメーカーも多く、企業で育てた木材を建材として提供するケースも増えてきています。全国の森林組合や林業が盛んな自治体でも気軽に国産材を使用してもらうように業界全体で取り組んでいます。
健全な森を維持し続けるためにも、国産材の使用が望まれます。
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