林業 | 2017年9月28日
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近代林業では欠かすことの出来ない「高性能林業機械」ですが、日本すべての山で高性能林業機械を導入しているわけではありません。
高性能林業機械を導入した場合のメリットやデメリットはどのようなものでしょうか?
高性能林業機械を導入していく上での足かせや恩恵などあらゆる課題を考えてみましょう。
高性能林業機械とは、伐採をした後そのまま集材できたり、枝払いの後そのまま玉切りが出来たりと、二つ以上の林業工程をまとめて作業できる便利な重機のことを指します。
間伐にしても伐採にしても、すべて人力で行うには人手も費用もかかります。
後継者不足と木材の消費低下によるコスト削減を余儀なくされている現在の日本の林業では、「効率よく安全にコストカット」が大きな目標となっていました。
高性能林業機械はすでに欧米で導入されていましたが、急斜面が多く険しい上に気象条件も厳しい日本の山ではそのまま使用することが出来ないため、小型化や軽量化を経て、現在の高性能林業機械の開発へとつながりました。
ただ導入してコストカットに成功した山もあれば、かえってコストのかかってしまった山もあるなど、日本の山全土で均一化して導入するまでには多くの課題があるようです。
高性能林業導入にはどのようなメリットと恩恵があるのでしょうか?
メリットはなんといってもコスト削減が一番に挙げられます。
これまではチェーンソーで伐採して倒してから、手動で枝を払い、玉切りをして運搬するというスタイルから、高性能林業機械が一台あればそれで作業工程が完結するまでになったのですから、これは相当のコスト削減につながります。チェーンソーや引き倒し時の事故も減るので作業員の安全も確保されます。
また軌道に乗れば素材となる木材の生産性の向上という恩恵に与れる可能性もあるため、全国の森林で高性能林業機械の導入を前向きに検討している場所が増えています。
一方で高性能林業機械の導入にはデメリットがあります。
まず日本の山にはそれぞれに特徴のある山があり、気象条件も地方によって大幅に違います。その土地に遭ったピンポイントな高性能林業機械は厳しく、どんなに小型化に成功してもそれでも重機を搬入できないような山もあるのです。
このような足かせがあり、すべての山に高性能林業機械が行き渡るということは難しい状況にあります。また、高性能林業機械を導入しても使いこなせる人がおらず、かえってコストがかかってしまったという事例もあります。
高齢化が進んで若い人の入れ替わりがない山などは、かえってベテランによる手作業の方が早い場合もあります。
高性能林業機械を導入すればいいことがある、とわかっていても結果的に導入を見送っている山も少なくはありません。
すべての山に高性能林業機械が導入されるにはもう少し時間がかかりそうです。
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