林業 | 2017年9月28日
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「間伐」と言えば発育不良の木を選んで伐採し、健全な木の育成を促すことを第一としていましたが、近年では間伐のコスト削減を図るために次々と「列状間伐」へ切り替えている山が増えています。
列状間伐のメリット・デメリット、デメリットを補う方法を見てみましょう。
これまでの間伐は生育不良の木を中心に伐採する「下層間伐」(普通間伐)が主流でしたが、間伐後の搬出や加工にコストがかかることがネックでした。列状間伐ならば、木の質はあまり考慮せず、列を決めたらそこを全部伐りとるため、作業を機械化して効率を良くすることが可能です。
また、普通間伐の場合だと伐り倒した木で残存木を傷つけたり、搬出が困難だったりすることもありますが、列状間伐なら最大傾斜方向に気を付けて伐採すれば残存木を傷つける心配がありません。
搬出に関してもメリットがあります。
列状間伐で林業機械を導入できれば、集材も造材加工もその場で実施できるので搬出のコストが削減でき、生産性の向上が期待できます。
これを見ても作業に手間ひまがかかってしまう下層間伐よりも列状間伐へと切り替える自治体が増えてきています。
人手不足でも効率よく間伐ができ、コスト削減も期待できるということで日本各地で導入または導入を検討している山が増えていますが、列状間伐の最大のデメリットとして「山の形状によっては列状間伐を導入できない」点があります。
例えば林業機械が入れないような林道しかない険しい山などでは列状間伐が導入できません。
また列状間伐に切り替えたりしても残存した列に劣勢木が混ざる可能性もあります。
劣勢木と優勢木が混ざってしまうような人工林だと結果的にコストの削減にはつながらないこともあり、今後の課題となりそうです。
列状間伐のデメリットの一つに劣勢木と優勢木の混在がありますが、劣勢木がそのまま育ってしまうと良い木材になりません。
最終的に売り物にならない可能性もあるので長年育てた手間が水の泡になります。
それを防ぐために残存木の中から劣勢木に目星を付け、そこからさらに普通間伐をする方法があります。
列状間伐のデメリットを補うため、良い木材を育てるためのひと手間として導入している山も多いようです。
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