林業 | 2017年4月19日
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林業の作業の中に「間伐」と「更新伐」というものがあります。
間伐は樹木を間引くもの、更新伐は木を伐採して森林の更新を図るものですが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
植林をしてから20年以上育成をしていると大きくなった樹木の枝葉が生い茂り、日光や風が行き届かなくなる事から山林全体的な育成不足に陥る事があります。
間伐とは現在育成中の樹木の中から何本か伐って間引いて人工林を活性化させるために実施します。
間引くといっても、木は主伐近くまで育っているため、切り倒した後の運搬や加工も主伐並みの手間がかかります。
しかし間伐を実施しないと山の土壌が弱ってしまい、例えば大雨や台風などが直撃すると土壌がゆるみ土砂災害の原因になってしまいます。
また雨水を濾過して川に還元する灌水力が落ちるので、人里の暮らしにもおおいに影響が出てしまいます。
健全な人工林や自然環境を保持するためには適切な間伐の実施が重要です。
更新伐とは、現存している森林に違う樹種などを植え替え、山の転換を図る伐採方法の事です。
新しく山を作るのではなく、主伐できるレベルに育っている木を伐採し、その跡地に別種の苗を植え替えて世代交代する事により、新たな森の活性化と再生を目的としています。
近年、針葉樹林のみの人工林から針広混交林へと取り組んでいる山が増えてきていますが、針広混交林へ転換する際に更新伐が実施されています。
更新伐は人工林だけでなく天然林でも実施され、有用樹を増やす事で天然林の構造的な改善が期待されています。
間伐と更新伐は木の伐採時期が大きく違います。
間伐は「人工林の育成のために育成途中の樹木を間引く」作業で、更新伐は「主伐期を迎えた木を伐採した後に違う樹種を植えて森林の更新を図る」作業を指します。
さらに間伐と更新伐は伐採した木の流通にも違いがあります。
間伐した後の樹木は間伐材として市場に流通しますが、流通先や使い方が限られてしまい、用途は現在の課題となっています。
更新伐で伐採した後の樹木は主伐期を迎えているため通常の木材として流通します。
上記のような違いがある間伐と更新伐ですが、目的は「森林の活性化」や「森林の更新」なので、環境のためには実施しないといけない作業である事は共通しています。
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