林業 | 2017年3月27日
このテーマへの質問・相談を受け付けております
お気軽にお問い合わせください
伐採が終わった人工林に再び植栽できるよう環境を整えるための地拵え。
地拵えは人工林を更新するために重要な作業です。
そんな地拵えの方法や特殊地拵えなどについてまとめてみました。
伐採の終わった人工林には切り株や多くの枝条(しじょう)が残されています。
このまま何もしなければ新しい苗を植えることができないばかりか、土地が荒廃してしまいます。
「地拵え(じごしらえ)」とは、伐採後に取り残された木の根や枝などを整理して新たな苗を植栽できるように土地を整理する作業のことです。
近年では重機を活用し伐採、地拵え、植栽の作業を一貫して行う作業工程を実践している地域もあります。
新たな苗の植栽作業を安全に行うためにも、地拵えは林業のスタートを飾る重要な作業なのです。
地拵えには「全刈り地拵え」や「筋刈り地拵え」「坪刈り地拵え」「火入れ地拵え」「棚積み地拵え」など様々な方法があります。
基本的には刈り払った枝条を巻き落として適切な場所に集積し、苗木のために場所を明け渡す作業を実施します。
「巻き落とし」とは林業の用語で、枝や芝、灌木などを開けた土地に寄せて堰のようなものと作る作業のことです。
「全刈り地拵え」では適当な場所に適宜集積する方法でしたが、適当な間隔を開けて段積みにしたほうが、土砂流出を防げるなどメリットもあることから、最近では「棚積み地拵え」を採用する地域も増えてきています。
地拵えは下刈りの時期も視野に入れて6月ぐらいに実施されるのが一般的です。
全くのハゲ山にしてしまうのではなく、有用な広葉樹はできるだけ残し、必要以上の刈り払いを避けることや、古木や枯れ木などはなるべく残すことなど、山の環境保全の配慮しつつ作業を行います。
地拵えをすることにより、その後の植え付け作業を楽にすることと、植え付け作業をする際の安全面が確保されることになるのです。
地拵えの中でも「低質林等における前生樹の伐倒・除去を指す」ものを「特殊地拵え」といいます。
例えば間伐が行われず放置され荒廃した人工林や、火災や台風、地すべりなどの気象災害、病虫や害獣などにより多大な被害を受けて荒廃した人工林などの木を伐倒、除去するための地拵えを指します。
伐りだした人工林の跡地を整地するのではなく、伐られていない状態の木や被害にあった木の伐りだしや運び出しなどの作業も含むため、通常の地拵えよりも大変な作業となりますが、山を生かすため必要な作業といえるでしょう。
このテーマへの質問・相談を受け付けております
お気軽にお問い合わせください