林業 | 2017年2月8日
このテーマへの質問・相談を受け付けております
お気軽にお問い合わせください
林業で木を切り倒す動作を「伐採」といいますが、伐採は作業工程と目的により呼び方が変わります。
ここでは「主伐」「皆伐」「択伐」の違いについてご説明します。
主伐とは手塩にかけて育てた木を木材にするために切るための伐採を指します。
農作物でいうところの収穫を意味し、木材は林業の収入源そのものになります。
主伐の時期はその時代の需要などによって変化がありますが50年~100年前後の木が主伐対象となるようです。
皆伐も主伐の一種で木材のために木を収穫するための伐採ですが、一定区間の木を全てバッサリ切ってしまう事を指します。
皆伐によってまとめて伐採されたところを植林すると、同じ樹齢の木をまとめて育てる事ができ、育った木はまた同じように皆伐で一斉に収穫ができます。
大量に木材が収穫できる手法として長年利用されてきましたが、山肌が丸裸となるため生態系が乱れる事や、土壌にダメージを与え森林破壊を招きかねない点から近年では小規模な範囲で皆伐を行うところが増えています。
択伐とは人工林内の樹木を数年から数十年の長いスパンをかけて、その時需要のある用材に向いた木を抜き切りして、そのあとに後継の木を植林し、人工林を更新していくスタイルの伐採を指します。
こうする事により林業経営を持続的に行う事ができ、安定した品質の木を長期にわたり収穫する事が可能になります。
ただし、択伐した木を森から搬出する際にまだ切られていない木にキズをつけてしまう事や、木を運ぶための路網が整備されていないなど、計画を立てにくいという課題もあるようです。
主伐・皆伐・択伐についてそれぞれ説明をしてきましたが、それぞれの違いをまとめると以下の通りになります。
【主伐】
木材を収穫するために伐採する
【皆伐】
木材をまとめて収穫するために伐採し、その跡地に苗を植林する
【択伐】
木の生育状態や市場の需要などに合わせて伐採し、そのあとに苗を植林して森の更新を図る
皆伐も択伐も主伐の一種となりますが、作業効率やその後の森林の状態などで違いが出てきます。
また山の形状やその地域の森林組合などの経営計画なども影響するので皆伐を実施しているところ、択伐を実施しているところと、様々な事情に併せて実施されています。
このテーマへの質問・相談を受け付けております
お気軽にお問い合わせください