林業 | 2016年11月25日
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林業と聞くと、その仕事内容をよくご存知ない方は、時間をかけて険しい山奥に入り、太い木を斧やチェーンソーで切り倒して、切り倒した木を大勢で運んでという具合に、厳しい重労働を思い浮かべるかもしれません。
ところが最近の林業はそのイメージとは、少々異なるようです。
林業の楽しさや抱える課題について知ることで、これまで知らなかった林業の一面を垣間見ることができるかもしれません。
林業の楽しさや魅力としてあげられるのは、林業が豊かな森林を次の世代にひきついでいく大切な仕事であるということではないでしょうか。
木を伐採すると、ほとんどの場合そのあとに新たな苗木を植えることになります。
しかし、その木が成長し、再び豊かな森となるには数十年という年月が必要となります。
つまり自分たちが植えた木が、次の世代の人たちによって収穫され役立ててもらえるということです。すぐに成果があらわれる仕事に魅力を感じる人もいれば、林業のように長い年月を考慮に入れて携わる仕事に魅力を感じる人もいるでしょう。
また、林業は木を収穫して材木を得ることとは別に、山を保全するという役目も果たしています。
山や森林が持つ、水を蓄えきれいにしたり、多様な生物の住みかになったり、森林が山の崩落を防いだり、空気の浄化を助けたりといった、さまざまな素晴らしい機能を手助けする一面もあると言えます。
林業のこのような役割に魅力を感じる人は多いのではないでしょうか。
このように、林業は多くの楽しさや魅力を持つ産業ですが、多くの課題を抱えていることも否定できません。
現在、林業が抱えている課題としては、一般的に以下のようなものがあげられます。
・林業産出額の減少
林業産出額は、1980年の約1.2兆円をピークに減少、近年は約4000億円前後で推移している
・木材価格の低迷
木材価格は、1980年をピークに、木材需要の低迷や輸入材との競合により長期的に下落し、近年は下落したままおおむね横ばいを続けている
・意欲の低下
高齢化に伴い森林所有者の世代交代が進んでいるが、小規模・零細の森林所有者が多く、経営意欲・所有意欲が乏しい所有者が増加している
・施業集約化に多大な労力
意欲ある者への施業集約化に多大な労力が必要
・山村の振興
山村は国土面積の5割、林野面積の6割を占めているが、それを全人口の3%で支えており、過疎化・高齢化も進行している
【参照】
林野庁
http://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/genjo_kadai/attach/pdf/index-10.pdf
このように、一般的には数多くの課題を抱える林業ですが、近年、林業従事者数は下げ止まり、平均年齢は若返る傾向にあるなど、明るい話題は増えつつあると言われています。
次世代にできるだけ多くの豊かな山林をひきつげるように、林業が地域社会と共に再生することが求められていると言えるでしょう。
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