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林業について

林業(造林)の地ごしらえの方法について

林業 | 2016年11月4日

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地ごしらえは、木を伐採した際のあと片付けという意味合いもありますが、もうひとつ将来の造林に向けての準備作業という重要な役割もあります。

 

そこで今回は、林業(造林)という側面から見た地ごしらえについて解説します。

 

 

■林業(造林)における地ごしらえとは?

 

林業では木を伐採する作業も大切ですが、伐採後の場所に将来に向けた新たな林を造り出す作業も、絶対に欠かすことのできない大切な作業です。

 
一般的にその作業は、苗木の植栽からスタートすると思われがちですが、実はそうではありません。
苗木を植栽する前に、地ごしらえという大切な作業があります。

 

地ごしらえは、木の伐採が終わったあとに残されている幹の先端部や枝、刈り払われた低木や雑草などを集めて、片付けたり、整理、配列したりする作業のことを言います。

 

この作業を、新たに苗木を植栽する場所の特徴、制約、苗木の種類などに合わせて実施することによって、その後の造林は、さまざまな影響を受けることになります。

 

 

■地ごしらえの種類やその方法とは?

 

地ごしらえにはさまざまな種類がありますが、代表的なものとして以下の3種類をあげることができます。

 

 

・全刈り地ごしらえ

 

苗木を植栽する場所にある幹の先端部や枝、刈り払われた低木や雑草などをすべて集めて取り払う地ごしらえです。

 

この方法で地ごしらえを行うと苗木の植栽作業を行いやすく、植栽後に不要な低木や雑草の再生を抑制する効果も高いことから、もっとも多く行われている方法です。

 

デメリットとしては、作業量が多いため、人手も多く必要となること、地表の露出が多くなるため、土壌の流出や乾燥、霜害などの被害にあいやすくなることなどがあげられます。

 

 

・筋刈り地ごしらえ

 

苗木を植栽する予定の列にある幹の先端部や枝、刈り払われた低木や雑草などを刈り払って取り除く地ごしらえです。

 

木を伐採した面積よりも新たに苗木を植栽する面積が狭い場合、低木や雑草などを残すことによって新たに植栽する苗木を強風や寒風などから守りたい場合、苗木を新たに植栽する際の経費を節減したい場合などに採用される地ごしらえです。

 

デメリットとしては、地ごしらえを行い刈り払った部分の雑草木が、刈り払っていない部分の植生の影響を受けて再生力が強くなり、全刈り地ごしらえより下刈り経費が増加する傾向があることがあげられます。

 

 

・坪刈り地ごしらえ

 

木を伐採したあとに残る、幹の先端部や枝、残された低木や雑草などを、苗木を植栽する予定の場所のみ、円形または方形に刈り払って取り除く地ごしらえです。

 

木を伐採した面積よりも(筋刈り地ごしらえよりも)狭い範囲に、苗木を部分的に植栽する際に採用される地ごしらえです。

 

新たに植栽された苗木が、周囲の低木や雑草に保護される効果が高くなる一方で、デメリットとしては周囲の雑草木の影響を受けやすく、下刈りなどの手入れにより多くの労力が必要となることがあげられます。

 

 

木を伐採したあとには、必ず将来に向けた造林が必要となります。そのスタート段階で必要となるのが地ごしらえですが、何種類もある地ごしらえの中から、どの方法を採用するかは慎重に検討する必要があります。


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