林業 | 2018年3月27日
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あらゆる可能性を秘めた新素材「セルロースナノファイバー」、その素材は、「木」から由来しています。
一兆円産業に成長すると期待されている、「セルロースナノファイバー」はどのような素材なのでしょうか?
その特徴と用途についてご説明します。
セルロースナノファイバーは、木材から得られる繊維を指します。
樹木はセルロース分子の集合体から形成されていますが、この木材繊維(パルプ)を細かくほぐしてナノ化することにより、ふわふわの綿のようになった微細な繊維、セルロースナノファイバーを得ることができます。
天然の木材から生産させる植物繊維のため、廃棄する際の環境負荷が少ない事や、素材を軽量化できる事、弾性率が高く温度変化に伴う収縮も良好で、酵素などのガスバリアが高いなどメリットが多い素材として注目されています。
セルロースナノファイバーは、繊維を微細なレベルでナノ化しているので加工がしやすい素材でもあります。
セルロースファイバーを、水に分散させて乾燥させることにより、紙より強い強度のあるシートを作ることができるため電子基板材料分野での活用が期待されたり、酵素のガスバリアの特性を生かして、医薬包装材して注目されたり、消臭、抗菌機能を付与したセルロースナノファイバーを使用して、大人用紙おむつ用品に生かすなど、医薬、化粧品、ヘルスケア食品、あらゆる分野で用途されることが研究されています。
セルロースナノファイバーの原材料は木材です。
現在、戦後復興のために植林された樹木が、伐採期を迎え上手に活用するためにも、セルロースナノファイバーの台頭は林業にとってとても歓迎すべきことです。
セルロースナノファイバーを利用した製品の商品化や、技術の開発や普及、公共建築物などで利用して需要が増えればまた新しい苗木を植林することができます。
それに携わる林業関係者が増えることにより、林業の活性化も期待されます。
セルロースナノファイバーは、新たな木材需要の創出を生み出す起爆剤となる可能性を秘めた産業なのです。
【参考】
【林業の成長産業化】(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/pamph/pdf/semep2_kaitei2_part6.pdf
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