林業 | 2017年6月23日
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森林を健全に保つ為に間伐は必要不可欠ですが、間伐の為に伐採して木を搬出しない「切り捨て間伐」が問題化しています。
切り捨て間伐はどのようなものか?切り捨て間伐を解消する為の方法として注目されている間伐材の新しい利用方法などと併せてご紹介します。
「切り捨て間伐」とは間伐で伐採を実施した後に木材を搬出せず、そのまま放置した状態を指します。
間伐材を含む国内での木材消費の落ち込みや林業従事者の減少などが重なり、間伐を実施しても搬出に予算がかかり、結果的に赤字となってしまう為、放置せざるを得ない状況であるのが現状です。
間引く木を伐採したことにより、間伐の目的は達成したかのようにも見えますが、伐った木をそのまま放置しておくと、大雨や台風などで木材が流出して被害が出たり、そのまま放置し続けると森の涵養機能にも必要な下層植生の繁茂を妨害したりすることになります。
このような切り捨て間伐を防止する為には、間伐材の需要を増やし、間伐の為の予算に困らないような環境にすることが重要です。
林野庁では切り捨て間伐や間伐を実施しない森林の増加に危機感を覚え、間伐の実施や間伐材の利用促進に取り組むべく、平成12年度から「間伐・間伐材利用コンクール」を実施しています。
あらゆる自治体や企業からの幅広い公募により、間伐材の新たな利用方法の可能性が見出されてきました。
・和紙から作った木糸の布
間伐材をチップにして和紙を作成し、和紙から作った木の糸で作った織物です。
布巾やタオルの他、かわいいスリッパなどにも加工されています。
・木製フェンス
間伐材は若い木を伐採する為に小径木になりがちですが、小径木を生かした木製フェンスが注目を集めています。
国産の良質な木材が使用できるとあり、DIY用の素材としても注目されています。
・紙コップ
間伐材を使った紙コップは全国のコンビニエンスストアやカップ用の自動販売機などで利用されています。
特にコンビニエンスストアで入れるドリップ式のコーヒーが人気ですが、コーヒーの人気とともに紙コップの需要にも期待が高まります。
・学習机の天板
子供用の学習机やその天板などで間伐材が利用されていることがあります。
外国産の材よりも丈夫で長持ちする為、長く使う学習机にはぴったりです。
・間伐材を使った工作キット
額を作ったり、木のスプーンを作ったり、ミニチュアのログハウスを作ったりなど、全国各位で間伐材を使った「工作キット」の販売を展開しています。
手軽に入手し、楽しく作れることから各メディアでも取り上げられています。
国の取り組みにより、全国的に切り捨て間伐対策のアイディア商品が次々と販売されています。
これらの製品がもっと市場に出回る為にも、一般の方が間伐の重要性や危機感を知る機会が増えることが大切です。
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