林業 | 2017年6月23日
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人工林を健全に保つため、植栽して15年~25年経過した木を伐採して間引く事を間伐と言います。
間伐を実施する際の伐採方法や伐採する木の選び方などについてみていきましょう。
間伐を実施する際、山の状態や木の育成状況、間伐後の木をどうするかによって伐採方法が変わってきます。
・定性間伐
成長が芳しくない木、細い木、曲がってしまった木などあらかじめ間引く木を決めてから実施する間伐を「定性間伐」と言います。
間伐のやり方としては昔から主流となっている方法で、多くの人工林で実施されています。
定性間伐を行う際は、優勢木が残りやすい「下層間伐」か、優勢木を優先的に間伐して準優勢木以下は残す「上層間伐」に分かれ、山の状況や最終的な生産目的によって選択されます。
・定量間伐
木ではなく木の密度に重点を置き、残存させる木の量を決めてから実施する間伐を定量間伐と言います。
残存した木が優勢木として成長するとは限らず、デメリットも否めませんが、とにかく「間伐を実施する」事を目的とした現場ではコスト面の都合から定量間伐を実施するケースが多いようです。
・列状間伐
列状間伐は木を選別せずに間伐するエリアで、斜面の上下に沿って列状に間伐する定量間伐の一種です。
列に沿って間伐を実施するため高性能林業機械を使用して行えるため、効率が良いというメリットがあります。
決めたエリアのうち3列を残して1列伐採する方式や、4列残して1列残して伐採する方法など山の形状によって決められます。
定性間伐の場合は生育の悪い木や雪や台風などの天候の影響によって折れたり曲がったりした木を選別してから間伐を実施しますが、定量間伐や列状間伐を実施する際は、森林の状況によって伐採する「エリア」を決めて実施します。
選別される木は「優勢木」「準優勢木」「介在木」「劣勢木」などに分けられ、例えば定性間伐の場合は「劣勢木」を選んで間伐を実施します。
定量間伐や列状間伐の場合はあまり優勢木や劣勢木の質は重視されず、優勢木でも間伐エリアであれば伐採されます。
昔から実施されている定量間伐では、間引く木を決めてから山の状況や環境に合わせて伐採するため、チェーンソーによる手作業が一般的でした。
しかし、業界の慢性的な人手不足や木材需要の低迷などの影響で定性間伐ではコスト的に折り合いがつかなくなり、高機能林業機械による列状間伐にシフトしている現場も増えてきています。
ちなみに高機能林業機械ではプロセッサやハーベスタ、スキッダなどを使って間伐作業を実施します。
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